さそり座U 星のモデル

(binsim により作図)

さそり座U星は回帰新星で、1863, 1906,1936,1979,1987,1999年に爆発を 起こしています。この天体は図のような近接連星系で、左の星はふつうの星 (主系列星)、右の星は白色矮星ですが、ガスが円盤状にとりまいている(降着円盤) ため、じかには見えません。この図は爆発後、可視光では暗くなったときのもので、 白色矮星がまだ紫外線を出して輝いているため、降着円盤が照り返されて明るく 光っています。左側の伴星も部分的に照り返しがあります。(降着円盤の影が写って いる)

左側の星から右の白色矮星へガスが落ち込み、周期的に新星爆発するのですが、 すべてのガスが吹き飛ばされるわけではないので、白色矮星はしだいに重くなって いきます。白色矮星の質量には上限があり、それを越えるとIa型超新星を起こすと 考えられます。以下の数値から、たぶん1000年から1万年後には爆発していると 考えられます。

蜂巣・加藤による最適モデル

軌道周期        1.23056日
軌道の傾き      80°
白色矮星の質量  1.37 ±0.1 Mo
主系列星の質量  1.2 〜2 Mo
主系列星のロッシュローブ半径 2.55 Ro
主系列星の表面温度  4000 - 5000 K
2つの星の間隔   6.87 Ro
過去の爆発記録  1863, 1906,1936,1979,1987,1999
主系列星から白色矮星への質量降着率 2.5 x 10^-7 Mo/yr
地球からの距離 約 2万光年