天文月報1998年2月号掲載 バリアフリーの国立天文台を目指して 国立天文台広報普及室 渡部 潤一 国立天文台広報普及室では、発足以来、一貫して身障者向けの対応に関す る各種の改善を行っている。1996年度から一般向けに公開を始めた口径5 0cm反射望遠鏡(社会教育用公開望遠鏡)では、設置そのものがグランドレ ベルであり、車椅子のまま観望ができる。また、従来は望遠鏡の接眼部が高い ために不便であった観望も、車椅子のまま、観望できる接眼部フレキシブル延 長機構を設置し、その利便を図ってきた。さらに、1995年度に身障者用ト イレを研究棟に設置したほか、1996年度には社会教育用公開望遠鏡のそば に外来者用トイレを設置した際にも、同様の身障者向けトイレを敷設している。 さらに、1997年度には視覚障害者向けに点字による国立天文台紹介パ ンフレットを作成し、全国の点字図書館、盲学校の図書室などへ寄贈するとと もに、来台される視覚障害者・団体等への配布を行う予定である。このパンフ レットの作成はすでに開始されており、1998年3月までには完成する。さ らに、インターネット上の国立天文台ホームページに関しては、実際に利用さ れている視覚障害者の方にご意見を伺い、より使いやすいものへと改善を行っ ている。 まだまだ、十分とはいえないが、今後もバリアフリーの国立天文台を目指 して、努力していく予定である。 国立天文台のホームページは http://www.nao.ac.jp/index_J.html です。 --------------------- (c)日本天文学会