天文学の講義における日本語表現教育の試み

                                 加藤万里子(慶応大)

理工学部の学生は日本語で自分の意見を表現する事が苦手
であると感じている者が多い。卒業研究や修士論文など日本語
でものを表現することが不可欠であるにもかかわらず、
これまで教育カリキュラムの中にはあまり取り入れられてこ
なかった。そこで大学の1、2年生向けに一般教養の天文学の
講義の中で何とか日本語教育ができないか試行してみたので
報告する。発表する内容は以下の通りである。

○  天文学の講義と平行したレポート添削のカリキュラムの例:半年
で3〜4の課題を出す例
○ グループ発表の例:1年で6〜8回の短いグループ発表をする例
○ 学生の感想:添削はありがたいがきつくてつらい。
○ 理工系むけの日本語作文教育でつかえそうな教科書のリスト

   なおこの方法は教師の負担も大きいので、なるべくやり方をマニュ
アル化して負担を軽減することが大切である。またクラスによって
レポート添削かグループ発表のどちらかに限定したほうがよい。 


加藤万里子 1995  
(C)日本天文学会 1995年秋季年会 講演