パリ その2 -- 観光編


セミナーも好評に終り(話がclearでわかりやすいとほめてもらったし、まんべんなく質問も
出たので、内容をちゃんと理解してもらえたようだ)、パリに来た目的も果たしたので、
本日から観光開始。1人だし、せっかくパリまで来たのだから、パドヴァではできない気晴らし
をしたい。このところ中世の建物と絵画には飽きてきたので。

朝食

ホテルの朝食 これで一人分。写真では実感できないが、ジュースのコップはミニではなく普通のサイズだから 紅茶のカップは日本の4倍は入りそうな巨大なもの。これがポットに2杯分入っている。隣の 女性は更におかわりしてたけど、よく飲めるなあ。ミルクティーでなくてもコーヒーかチョコ レート(ココア)でもいいが、ココアをこれだけ大量に飲むのは不可能かも。久しぶりで甘くない クロワッサンが食べられて嬉しい。イタリアでは皮が甘かったり中にジャムが入っていたりして 甘くないのは見あたらない。左のごまとけしのついたパンは皮がバリバリでおいしい。日本は 湿度が高いから、フランスパンの皮がすぐ柔らかくなってしまうが、やっぱり本場は違う。中央の 小さいのはジャムとバターとクリームチーズ。左上の丸いのはりんごをすりおろしたもので、 ほんのり甘くておいしい。この手のものはスーパーに各種ならんでいる。日本ならすりおろし りんごは離乳食だけど。 ドイツのホテルでは朝食にハムとチーズの薄切りが並んでいる。ごまやナッツのついた硬い ドイツ風のパンも味わい深い。でもやっぱり野菜は出ない。 そういえば、私がはじめて外国に来たのは大学4年の時で友達と2人旅だった。ドゴール空港に 着いて、インフォーメーションで紹介してもらったホテルの部屋は、壁紙がピンクの花柄だった。 翌日の朝食は飲物とパンだけだったが、大きなクロワッサンと大きなバゲットがめずらしくて とてもおいしかった。ティーカップはやはりこのように巨大だった。 はい、出発。地下鉄を降りたところで記念撮影。 パリ第6大学、ピエール&マリー キュリー校 植物園

動物園

さて動物園へ。パリ観光の初日が動物園とは地味すぎないかって?でもパドヴァやヴェネツィアには 動物園はないのだ。石と煉瓦の街にいて哺乳類が犬猫と人間だけの世界で暮らすと、なんとなく 動物園に来たくなる。ミラノまで行けば水族館はあるのだが、やっぱり魚類より哺乳類の方がいい。 ということで、本日の観光コースはまず動物園から。 餌は人の近くで食べるようになっている 見ての通り柵の大部分が草木で覆われていて、動物がよく見えない。そのぶん動物はストレスが たまらないから、自然な様子が保てる。鹿などの草原の動物はまわりの柵も見晴らしを良くしてあり、 森にいる動物には茂みをつくっている。動物が生息する環境に合わせているようだ。ヤックの柵は 木でびっしり覆われていて中がよく見えない。動物が見えるすき間を探して柵の外を歩いていたら、 ヤックが3頭で寄ってきて、茂みのすぐ内側で威嚇音を発する。人間は他に誰もいないから、ちょっと 恐い。すいている動物園はこういうところが楽しい。 白と黒のはラマ。小さいのはマラの子どもで、そのへんを駆け回っている。見ていたらラマ3頭が かわるがわる私の前にやってきて、糞とおしっこをした(右の写真)。草食動物のフンはちいさくて 丸く、ぽろぽろこぼれ落ちる。おしっこはその後だ。どうも目の前の場所がトイレになっている らしい。いくらお客が少ないからって、私が来た時に限って寄ってきて3頭ともフンをするなんて。 これは好運と思うべきか? それにしても人がすくない。たまに子ども連れか、100ミリレンズをかかえた写真好きが動物の写真 を撮ろうとやってくるだけ。でも柵が2重になっていて動物の写真は無理だ。土曜日だし、街のどまん なかだし、日本なら親子づれかカップルでびっしりなのに。この国には子どもの教育に動物園へ来るという 発想がないのか? 柵の前で動物を見ながら鹿のような像を作っている人がいた。すいているからできること。 ところで左の像をよくみると、肩に熊の頭を載せている。ふつう熊退治の銅像を動物園に置くか? 左はカンガルー (左) ぞろぞろ列になって走り回るのが面白い。どのコースを行くかは誰が決めるのか?いつも左の 方から走ってきて目の前で曲がって、柵にそって左に戻る。ずっと見ていたら1度だけ木の中(くり ぬかれて通路になっている)を通って右へいき、手前を左に戻ってきた。日本で友達と水族館へ行くと、 巨大水槽にいろんな魚がいるから、魚の群れがどのコースを通って周遊しているのか、いっしょに 眺めていて、時間がたつ。 (右)係員の出入口。私が餌をくれるのかと思って二重の柵の内側に集まってきたらしい。 見ていたら2頭が岩に登った 猫科の宿舎と展示室 建物の左にくっついて猫科動物の檻があり、寝床がこの建物の内部から見えるようになっている。 (動物はいなかった) 建物の内外に浮き彫り(レリーフ)がある。 内側のレリーフ 外側 (右の写真)ちょっとぉ。これはないでしょう。動物がかわいそうじゃない。環境保護とか動物愛護 とか、狭い地球上での動物と人間の共存とかという発想はないのぉ?この動物園ができた1794年ころ には、めずらしい猛獣を展示する、というだけの発想だったのだろう。 まあ私だって、水族館へ行けば、鰺や鰯の群れが泳いでいるのをみて、おいしそうだと思わないわけ ではない。北陸に旅した時、水族館へいったら、水槽の掲示に「この魚は冬に脂がのって美味」 とあった。水族館の隣は水産試験場だったから、食べるという視点から水族館をつくったのだろう。 以前スイスの天文学者の家に泊めてもらった時、近くの牧場にいる牛をみせてもらった、あそこで 草を食べている牛の体の半分が来年うちの肉になるのだ、だから健康かどうか時々見にくると言って いた。解体したらパーツごとに冷凍してもらい、一部分ずつ肉屋に取りにいって食べるのだそうだ。 人間は動物を食べる生き物だから、動物園の動物をみて、おいしそうだと思う人がいても不思議は ないかも。 ヤマアラシがお食事中

爬虫類館の前の彫刻

またもやだ。笛吹き童子はいいとしても、 足もとの蛇 その次の写真。ピンボケだけど、ワニをふみつけてモリで刺すシーンだった。 足でふみつけているワニ 爬虫類館の中は湿度が高く、むっと暖かい。 そういえば娘が5歳の時はアメリカに住んでいて、シカゴの水族館に遊びにつれて行ったことが ある。わりと大きな亀が水槽の底でじっとしていた。説明によれば、息をするために亀が水面に 顔を出すのは1週間に1度くらいしかないそうだ。確かに水底でじっとしていて動かない。娘と しばらく見ていたら、亀が少しだけ動いて、大きなうんちを出した。そして水面まで上がっていき、 息をすると、また水底に戻ってじっと動かなくなった。それ以来、わが娘は亀といえばうんちを 思い出す。 フラミンゴ せっかくお昼どきに動物がいっせいに餌を食べるのだから、もっと子どもを連れてくればいいのに。 娘が小さいころには、よく上野動物園へ連れていった。小さい子どもはパンダをみたら、次の瞬間 には象のところへ走っていき、その次の瞬間にはキリンという具合で、せっかくの動物をちょっと しか見ない。いちど、ラクダが見たいといったが園の地図には載ってなかったので、ちょうど通り かかった園の人に自分で聞いてごらん、といって娘に聞かせた。「らくださんは、どこですか?」と 3歳ながら敬語を使っている。「多摩にお引越ししたから、ここにはもういないの」というのがおじ さんの答えだった。(いくら小さくてもできることは自分でやらせるのが私の教育方針) 本音を言えば、パリで類人猿と象とキリンを見たかったのだ。パリには動物園がいくつかあるから、別の園に 行くべきだったのか。私の持っている旅行ガイドブックには動物園にいる動物の情報なんて載って ないのだ(そりゃそうかも)。今から別の園にいく根性はないし、あきらめて観光客の群がる街に出る。 で、次に行ったのが、ヨーロッパ写真美術館。レオナルド・ダ・ビンチを別にすれば、写真の発祥 (ダゲレオタイプ)の地はフランス。展示もなかなか良く、楽しめた。内部はとうぜん撮影禁止。 ここにも一眼レフを抱えた写真好きがうろうろしていた。というところで、次はようやく世界遺産へ。 サン・ルイ島へ 左はホワイトアスパラガスのびん詰めを売る店。右はジャム屋さん。 セーヌ川 市庁舎。手間の広場に臨時スケート場ができて、子どもたちがすべっていた。 ノートルダム大聖堂 内部 (右)聖書の中の物語(イエスの生涯の主要場面)を説明した浮き彫り。 プレゼーピオ (左)プレゼーピオ(イエス誕生の様子を人形で現わしたもの)赤ちゃんは12月25日に出現する。 (右)大聖堂建設の様子を示すミニチュア。 街の様子 みやげもの屋(星座の絵) (左)パリ名物マカロン(これはチョコレート味)りんごタルト、カフェオレ(小さなチョコレート付) (右)レストランの入口に飾ってある本物の肉。どれも一皿がすっごーく巨大で、2人分はある。

(2007.12.4)

パドヴァ滞在記へ戻る


Copyright M. Kato 2007