日帰り観光:ブレーシャ (Brescia)


ブレーシャはパドヴァから西(ミラノの方)に特急で1時間20分くらい行ったところに
ある小都市だ。北イタリアには小都市がたくさんあり、パドヴァからの日帰り旅行には
好都合。小さい都市はどこも旧市街が城壁に囲まれており、みどころの広場とドゥオーモと
大きな建物が中心部にある。駅は近代にできたから、どこでも中心から1 km 弱離れて
いる。どうせ街の中心部は歩くしかないので、バスには乗らずにいつもずっと歩く。
万歩計の歩数をかせぐにはもってこいだ。このごろ、日が暮れるのが早くなり、パドヴァ
での散歩だけで1日に1万歩を達成するのは難しくなってきたので、足りない分は遠出
した日に歩くことにした。だから本日の目標は2万歩だ。家からパドヴァ駅までの往復を
歩けばそれだけで6000歩はいくから、ここで残りを頑張ればよい。


この街は北の小高いところにお城がある。そのふもとは古代ローマ時代に街の中心だった
そうで、神殿遺跡が道路のわきに残っている。

カピトリーノ神殿

古代ローマ時代(紀元73年)にヴェスパシアーノ帝が立てたもの。入口のコリント式の円柱は
欠けている左も含めれば6本ある。

次に中世。自由都市の時代(12〜13世紀)
    内部
ロトンダ(旧ドゥオーモ)。円筒形のものはめずらしい。

   二階の礼拝堂

   

(左)地下の納骨所の柱廊は11世紀のもの。(右)ローマ時代(紀元前1世紀)の公衆浴場の
モザイクが残っている。




    
ドゥオーモ。右にロトンダ(旧ドォーモ)がちょっと見える。左の建物はブロレットと
付属の塔(ポポロの塔:11世紀)

バロック建築の新ドゥオーモ(なぜかギリシャ風の柱)。内部は白い大理石の柱が天井
までのびていて、写真よりも実際に見た方が空間は巨大。広大な風景や大きな教会は、
写真に撮るとちんまりしてどうも気に入らない。


  
城の門にヴェネツィアの象徴である有翼ライオンがいる。ヴェネツィアがこの都市を
支配下に置いたとき、城の守りを強化してこれをつけた。

  
城の中腹からみた景色

ぐるぐる回って道をのぼり、最後にお城の中心部分に入るところに門とつり橋がある。
水はないが、ここから落ちれば数メートル下の道路(石だたみ)に激突する。なるほど
守りが強固だ。

      

門の外側からみたところ。つり橋は木製。

  

門の内側。この重りは現在は固定されているが、はずせば橋がはね上がる。外側をよく
見ると、つり棒と橋がぴったり城壁に収まるようになっている。ということは橋の欄干は
昔はなかったんですね。観光客が落ちると危険だからつけたのか。



武器博物館
お城の中に武器博物館があった。もとの建物の構造を生かすように立て直したらしく、
ところどころに古い煉瓦の部分があったり、発掘状態の埋もれた部分も覗けるような
デザインになっている。(その点はパドヴァ天文台と似ている。もしかして建築家が
同じだったりして?)
ヨーロッパのお城にいくと中世の兜や鎧がたくさん飾ってあり、9月に行ったドイツでも
お城に鎧や剣や鹿の角がこれでもかと(ドイツ風)並んでいた。だからここの展示はあまり
めずらしくはないが、北イタリアではめずらしいかもしれない。この街は練金術以来の
伝統とかで、武器づくりが盛んで、EXAという鉄砲や兵器の見本市が開かれることで
有名だそうだ。だからここに武器博物館があるのだろう。馬と徒歩の主従が2セットも
置いてあるのは博物館らしい。そういえばイタリアで徴兵制度がなくなったのはわりと
最近だったと思う。

    

鉄の鎧はいかにも重そうだ。お腹の部分がつき出ていて、メタボ危機のような体型に
なっている。ドイツのお城でもこのような鎧を見たので、ひょとしてこのような体型の
人むき?なんて思いつつ、ガイドさんに質問したら、槍でついた時に、お腹の部分が
平だと、簡単に穴をあけられてしまい負傷するが、丸ければ槍がすべるので防御に
強いのだそうだ。馬は耳までカバーする重いかぶとをかぶせられている。


おみやげ用博物館グッズ。左は鎧の下に切る鉄の鎖かたびらをまねしたメッシュのシャツ。
まんなかは銀色の厚紙でできた鎧と兜。木製の剣も下の方にちょっと見える。



この他に暖かいピザもあったが撮影前に食べてしまった。味はまずくは
ないがとりたてておいしいわけでもない。

お城から降りて適当なバールで昼食。飲物1つと食べ放題で10ユーロ(1600円?)
レストランに入れば30〜40ユーロは軽くかかる。1ユーロ100円くらいに考えないと、
とてもやっていけない。

     
時計を抱く16世紀の館

ロッジア広場の時計。ムーア人が鐘をたたく。このデザインはヴェネツィアと同じ。そう
ヴェネツィアはある都市国家を支配下におくと、中心の広場にこの時計のついた美しい
建物を建て、目立つところに有翼の獅子像を置くのだ。

広場についた昼さがりは、市場が終ってかたづけているところだった。暇なので、洋服屋に
なっていたトラックの屋台の屋根をたたみむのを見ていた。

        

      

おじさんが棒をもっているのは、屋根が引っかかった時に直すため。
それでトラックの屋根がこういう形をしているんですね。


各店舗から出たゴミは収集車に積み込む。広場に散乱したビニール袋や、壊れた
ハンガーやら下着のパッケージなどは、歩道のごみは人がほうきで道におとす。
そして道のごみは清掃車がかたづける。

    




   

商店街にこれをたくさん売っている店があった。ろばの首とかおじいさんの手とか、
どこか1か所が電気じかけで動く(でも動きは単純ですぐ飽きる)。クリスマスの飾り用かな?

(2007.11.5)

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