サマータイムが終った。10月最後の日曜日に時計を1時間戻すのだが、昼に天文台にいったら、 ネットワークコンピューターの時刻はちゃんと切り替わっていた。私は朝方人間だから朝が いつまでも暗いのはわびしい。夏をすぎると日の出がだんだんと遅くなり、最近では朝8時を すぎないと明るくならなかったので、7時に空が明るくなるのは嬉しい。そのかわり、 夕方は早く暗くなる。これからは、暗くなる前に家に帰ってのんびりすることにしよう。 家で一人のんびりと論文を書いたり読んだりするのは集中できて楽しい。 それにしても、家中の時計を戻すのはけっこう面倒だ。デジカメとパソコンはめんどう なので日本時間のままにしているが、モノがない私のアパートにも、めざましやら腕時計 やらが合計4つあるし、万歩計にも時計機能がついている。もしこれが日本だったら、更に 冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、ラジカセなどたくさんの電子機器をいじらなければならない。 日本でサマータイムを提案するのは家事を他人まかせにする「男の発想」だと思う。イタリアの 家庭にはこんなにたくさんの時計はないみたいだし、たぶん多くの家で、時計を全部直す ことはしていないと思う。それに、もともと待ち合わせに1時間くらい遅れたって、 どうってことないみたいで、時間感覚が東京と全く違う。だからイタリアでサマータイム が行われているからといって、勤勉で細かなことにうるさい日本で苦もなくできるとは限らない。![]()
手前がパドヴァ大学天文学教室。隠れてみえないが、塔のある建物がパドヴァ天文台。 10月も終りになると、紅葉が始まった。日本よりかなり早い。
後ろのおじさんとシンクロ。 夜は冷えてきたので、ほかほかの焼き栗が嬉しい。このように露店のそばで作って 焼きたてを売っている。栗の皮に切れ目を入れて、ただ焼いただけなので、味は素朴で 焦げた部分も混ざっている。天津甘栗の方がはるかにおいしい。天津甘栗や石焼きいもを 売り出したら、ヨーロッパを席巻すること間違いなし。マンガ、数独についで日本文化の すばらしさを見せられるのだが。 スーパーには栗と栗を焼くフライパンも売っているが、日本のように皮をむいた栗はない。 売っていれば、栗ごはんを作れるのに。(自分で栗の渋皮をむく根性はない)
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パドヴァの中心街は石と煉瓦でかためられていて、木や土がほとんどなくて時々息苦しく なるが、天文台は旧市街のはずれにあり(何しろ街を囲む城砦だったから街はずれなのは当然)、 城壁のわきは堀になっていて、散歩道が2キロくらい続く。犬の散歩やジョギングの人が たまに通りかかるが、すれ違う人の数が日本よりはるかに少ない。釣をしている人もまれに いる。いちど釣れたところを見せてもらったが、なんと鮎だった。ここのカモは鮎を食べて いるのか?確かに水は透明だ。ただし、ここだけは水が済んでいるが、すぐ下流の天文台 から下は水が汚い。
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秋になってケーキ屋さんにマロングラッセがいっせいに出てきた。(飾りはすみれの 砂糖漬。ちょっとお高い店で買ったら飾りについてきた。おほほほ) 上は日本でも売っている有名なチョコレート。夏の間、ずっとスーパーから消えていて、 秋になったら安売りしていた。
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レストランのランチ。プリモピアットはタマネギのスープ。チーズをのせたパンが一切れ 入っていて、オリーブオイルがたらしてあった。イタリアでは油はオリーブオイルが基本で スーパーに巨大なビンが並んでいる。レストランで見ていると、料理が出てくる間に、 パンにオリーブオイルをつけて食べたり、ピザを食べるとき、周囲にオリーブオイルを ぐるっとまわしかけている。メインディッシュは魚の串焼き。オレンジの切れ端と いっしょに食べると、とてもおいしい。パンはついてくる。でもこれで3200円は高い。 物価は日本と比べて食材は安いくて、ケーキとワインは買って家で食べれば安いが、 レストランの料理はめちゃ高い、といったところ。衣料品も店で買うと、とても高く、 市場で買えばまあまあ。リラの時代には、物価は日本と比べてとても安かったが、ユーロに なってから日常品の物価が高騰したと聞く。
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我が家のいわしのフライ(熱いうちに食べると見かけよりずっとおいしい)。おしるこの栗と餅は 日本から持ってきてもらったもの。あずきは買えるので豆から煮る。右はナスの煮物(ナスは 日本の方が味がよい)。 秋になって、西洋梨がおいしくなった。日本原産の柿も熟していてとても甘い。(さすが 日本のものは違う)だってこっちの果物は甘くないので、店では砂糖をかけたのが出てくる くらいだ。魚屋では、いわしを開いたのを売っている(店番しながら、はらわたを出していた)。 フライにして、残ったらマリネにするといいのだが、私は揚げたそばから食べてしまうので、 残らない。
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石づくりの街は季節感に乏しいが、学生たちの服が冬物になった。ちなみに学生はみんな 大きなリュックを背おうか、旅行用のスーツケースをごろごろ曳いている。中身は教科書と ノートだ。イタリアでは小学生も大きなリュックで学校へ行く。小学生のノートと教科書も A4版で、時には10 kg にもなるので問題視されている。でも私立の小学校には原則として 親が迎えにくるから、自分で持たなくてすむそうだ(ちなみに私立は午後4時まで、公立は 午前中までで、午後も授業があるのは週1回くらいとのことだが、地方によって違ったり するらしい)。大きな学用品店には、四角い形のリュックがたくさんならんでいる。A4版の ノートと教科書をたくさん持ちはこびするので、小学生から大学生までリュックは必需品なのだ。
(2007.10.30)