日時計の歴史はかなり古そうだ。晴れた日には、だいたいの時刻がわかるし、 水時計と違ってメンテナンスもいらないから便利だろう。辞書によれば、日時計は バビロニアで紀元前2000年頃からあるそうだし、聖書にも紀元前700年ごろには 「日時計」が出てくるとある。まずは目にした中で、もっとも古そうなものから。 柱のてっぺんに注目。ポンペイ遺跡(1世紀) 次はパドバのシニョール広場にある日時計。観光ガイドブックによれば15世紀初頭の もので、ヨーロッパかイタリアかで最も古いらしいが、ガイドブックは正確でない ことがあるし、その街を良く見せようという努力が見えるから、すぐに信用しては いけない。ポンペイ遺跡の方が古いがもちろん意識に無いのだろう。
パドバ(シニョール広場)
拡大図
パドバ(植物園)。 棒がなくなっているので、 ボールペンを代わりにしてみた。半球形にすると 影の移動が時間に比例する。下の日時計もパドバの植物園。3面に日時計がある。
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部屋の中にも日時計は作れる。ローマの宮殿でみた部屋は、床に綺麗な星座の 絵が描いてあった。壁の上部に小さな穴があいていて、陽がそこから差し込んで 床が照らされるので、どの星座に陽がさすかにより、季節や日にちを知るように なっている。残念ながら撮影できなかった。
ヴェローナ
サン・ベルナルディーノ教会(ヴェローナ)の中庭にある日時計。γなどの星座の 記号が描かれているのは、季節によって影の長さが違うから。
アジアゴ天文台の宿舎のわきの壁に日時計が2つある。壁の間は見学者用の階段。
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アジアゴ天文台 左側にある日時計は午前10時から13時まで使えるプロ仕様の正確な日時計。 写真は午後2時に撮影。右側のは午後2時から夜8時まで。夜8時まで目盛が あるのがすごい。アジアゴでは、7月には夜9時半ころまで明るい。 2018年にアジアゴ天文台を再訪したら、構内に日時計が3つ設置されていた。 夏時間を除けば、誤差は15分くらい。それぞれデザインが違う。
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ローマには日時計専門店というのがあった。観光客むけに昔のデザインの日時計を 木工細工で作っている。いろいろなものがあり、持ち歩き用の日時計などはお土産に どうかと思ったが、デザインが女性むきではなかった(だいいち友達は喜ばない)。 また指輪に穴があいていて、太陽の光を通して方角を知るというのもあった。
バース(イギリス) ローマ浴場の2階。下に浴場が見える。
携帯日時計:大英博物館
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ついでに大英博物館(ロンドン)で見た太陽系の模型。機械じかけで惑星や衛星が 動くようになっている。
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テーブルが日時計になっている。天井の穴から太陽光線が差し込み、時刻がわかる、 のだったらすばらしいのだが、ランプの光なのでいつも午後6時。 (ブダペストのマクドナルドで)
ベネチアのみやげ物屋で
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チュービンゲン(ドイツ) 夏時間なので1時間遅いことを別にすれば時間は合っていた。
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バッサーノ・デル・グラッパ ちなみにここの時計のデザインもベネチアのとよく似ていて、星座の周囲に24時間が きざまれている。(下を参照)
アルベロベッロ ミラノ ポルディ・ベッツォーリ美術館の日時計コレクション (2018年)
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ここの目玉が左奥の白い日時計。ベネトの小舟の帆のかたちをしている。 日本語音声ガイドによれば、世界でこのタイプは4つしかなく、そのうちただ一つの 象牙製。精度が高い。フランス人数学者の署名入りなので、1524年パリで制作とわかる。 <<以下は街でみかけた素敵な時計>> ヨーロッパには広場に面した大きな建物によく時計がある。ものの本によれば、 機械じかけで動く時計は、ニュートン力学にはじまる力学的世界観がヨーロッパを 席巻した頃のものの見方の象徴だそうだ。日本の大学も、ヨーロッパを真似して 正面の目立つ建物に時計をつけている。
ヴェローナ
ロンドン塔
ロンドン市内
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ワルシャワ (星座つき)
マドリッド
マドリッド(王宮)
ベネチア(サン・マルコ広場)
パドバ(シニョール広場) デザインがそっくりなのは、パドバがベネチアの支配下にあったから。シニョール広場には この他にもベネチアの繁栄と栄光を示すものとしてベネチアのトレードマークである有翼の 獅子像や、イタリアが世界にもっとも版図を広げたときの地図などもある(下)。
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(2007.7.06)