バースとストーンヘンジ

国際会議でKeele (イギリス)に行ったついでにロンドンとバースを見物。
イギリスはイタリアよりさらに北にあるので、昼間がさらに長い。時差が
1時間あるのに、朝は4時半にはすでに明るく、夜は9時半過ぎに暗くなる。
いつまでも夜が明るいと生活リズムがずれる。そういえば、アラスカに
住んでいた人が、夜いつまでも暗くならないので、日本人はみな寝不足に
なると言っていた。


  
ロンドンの街なみ

バース (Bath)

イタリアの13世紀の建物に慣れた目で見ると、イギリスは教会も街も
雰囲気が違う。
      

バース寺院(アビー・チャーチ)の正面。とてもきれいな教会で、両側に
「天使の階段」がある。天使が一生懸命に天国への階段を登っている。
階段から落ちかかっている天使もありご愛敬。天使が天と地の間の階段を
登り降りするのを当時のバース司教が夢に見たというのが1499年に寺院が
再建されたきっかけだそうだ。天使には羽があるのに、わざわざ苦労して
梯子を登る必要があるか、と夫がつっこんでいた。


    

アビー・チャーチの内部。イタリアでは教会の中は撮影禁止だが、ここでは
みんなばちばち写真をとっている。ミサに出席している人はイタリアより
少ないようで、懺悔している人はイタリアと同様見かけない。


ローマ浴場(ローマンバス)
  
古代ローマ時代の浴場が1880年に発見され、今は博物館になっている。音声
ガイド(日本語あり)で見どころや歴史的な説明を聞きながら回る。単に見る
だけならすっと通りすぎるところでも、どのように使われたのかとか歴史的な
背景の説明があるので、ゆっくり見ると面白い。

バースは18世紀に裕福な人々が集まるリゾート地となり、貴族やお金持ちが
たくさん住んだ。おふろ(バス)の語源となった土地。優雅な社交生活を示す
建物がたくさん残っている。アセンブリ・ルームの音声ガイドによると、時間を
もてあましているお金持ちの人々がどのように舞踊会や賭事やお茶で時間を
つぶしたかがわかる。午前中は温泉につかり、優雅な昼食をとり、午後は散歩、
夕方から舞踊会と賭事と恋愛。それなりに大変で全然うらやましくない。

地下にコスチューム・ミュージアムがある。ここも音声ガイドつき。(日本語あり)
   
  
右はドレスの下につけるポケットで、ひもで結ぶ。ドレスの横にはスリットが
あいていて、何枚ドレスを重ねてきても、ポケットに手をいれられる。ハンド
バッグがわりにいろんなものをつっこんだらしい。真中の写真はポケットをつけた
上に薄くて透けるスカートを着ている。ポケットをつける習慣は、細めの服が
流行するようになってすたれた。貴婦人(たぶん男も)はバースに到着してから
最新流行の服をつくるので、ドレスができるまでパーティに出られなかったらしい。



バースにはジョン・ウッド親子(親子で同名)の設計による楕円や半円形の建物
がたくさんある。日本でいう高級リゾートマンション。これはロイヤル・クレッ
セント。区分は縦割で30軒分ある。1軒は地下2階から3階まで、横はドア1つと
窓2つ分を占める。。見晴らしのよい高台に建っていて、お金持ちがシーズン
ごとに借りて住んだ。目の前の芝生や繁華街の舗道は貴婦人たちの散歩コースで、
知合いと出会ってはドレスの優雅さを競いあった(だから舗道が広くできている)。

ちなみに給水設備はないので、貴婦人が自宅でお風呂に入る時には、召使が井戸
まで往復して水を汲み、台どころでお湯をわかして、2階の貴婦人の部屋まで
裏階段を通ってお湯をはこぶ。トイレはないので自室でおまるを使用。道路に
投げ捨てるので、道路はいつも臭い。


クイズ:これは何でしょう?
 玄関の前にあるこれは何?


ストーンヘンジ

音声ガイド(日本語あり)で歴史的説明を聞きながら回る。ストーンヘンジが 天体観測施設だったという可能性は否定されているとのこと。 冬至の日にここに立つと、反対側のヒール・ストーンの位置から太陽が出てくる。 ストーンヘンジの周囲には、昔の豪族のお墓がたくさんある。

エーヴベリー

ストーンヘンジより石は小さいが、エーヴベリーにも環状列石の遺跡がある。
  


周囲はひつじのいるのどかな所。
  



コッツウォルズの村々

レイコック村の様子。ストーンヘンジ1日ツアー(バスで行く)に参加したので、 午後は近くの村を回る。 レストランでの昼食。食べているときに大雨が降ったが、食べ終った頃に止んだ。 左から牛肉の入ったパイ、サーモンのグラタン、チキンパイ。 レイコック・アビー。右はハリーポッターのロケも行われた(教室になった)場所。

(2007.06.22)

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