南イタリアへの旅

ローマ大学に行くついでに南の方へ旅行してきました。ナポリ、カプリ島、
ポンペイ、アマルフィの順で、青の洞窟は初日は波が高くでだめ、次の日の
朝1番に陸路から行って見ることができました。朝早く船付き場で待って
いれば、船路からの客より先に入ることができます。

カプリ島 (Capri)


(左)モンテ・ソラーロ(山)で。(右)マリーナ・グランデ
           
アナカプリ地区のサン・ミケーレ・アルカンジェロ教会の
床一面にあるエデンの園のタイル絵。アダムとイブ、
いろいろな動物がいる。

ポンペイ (Pompei)

Cedroの実。 レモンの実と花。

北イタリアの町を見慣れた目には南国情緒が漂う。町が明るいのは
家が白くてタイルが綺麗なことと、黄色い実がたくさんついた木があるためか。

ポンペイ遺跡

イタリアの町が煉瓦と石でぎっちりできていたのは2000年前からなのだと納得。
今は失われてしまった2階がどの家にもあると想像すれば、道路の両側はかなり
つまっていて、木も草もない町並になるはずなので、パドバと同じような感じだった
のかも。


バジリカの太い柱(左)は花びらの形をした煉瓦でできていた。アポロ神殿の柱は 煉瓦の
組合せが面白い。神殿の入口の階段は大理石と煉瓦の組合せ。一般に 大理石は
少なく、煉瓦がほとんど。

ポンペイの町は大規模に発掘され、町なみは残っているが、ほとんどが1階の
途中部分までしかない。2階まで復元した想像図が載っているガイドブックを
見ながら、豪華な神殿や大規模な施設を想像する。

小劇場(オデオン)。 大劇場は大衆むけの風俗喜劇などが上演され、 小劇場は高尚な催しが主だったそうだ。 ポンペイに来たら日本人の割合が高くなった。日本人に限らず団体旅行ではガイドさんが みどころを説明している。英語か日本語の時は、さりげなくそばに近寄って説明を ちゃっかり聞く。ガイドさんもいろいろで、通り一辺の説明しかできない人もいれば、 ちゃんと勉強している人もいる。もっともガイドさんの方もお客さんの興味に合わせて 説明を加減するのだろう。日本語がへたで説明もろくにできないのなら本の方がましだが、 こちらの疑問に答えてくれるならガイドさんはありがたい。何年か前にドイツのノイ シュバンシュタイン城に行った時には、よその日本人団体に説明している日本人の ガイドさんに、ずうずうしくも夫が質問して、嫌な顔をされていたっけ。ほがらかで アバウトなイタリア人のガイドさんなら、嫌な顔はしないのだろうか?試してみれば よかったか? 選挙の候補者についての記述がある家。 フレスコ画や保護の必要なものがある家にだけ屋根がつけられている。あとはすべて 炎天下で屋根はなく、煉瓦と石の建物がずっと続く道路を何キロも歩く。ふたりで くまなく歩いたので、万歩計が2万歩を越えた。途中でペットボトルの水がなくなった。 団体旅行の人達は、ちょっとだけ見て帰るようだ。

ポンペイの壁画に描かれたへび。家の守護神の象徴とのこと。 ポンペイに限らず、その観光地だけに限定した詳しいガイドブックや地図は現地で手に 入る。5か国語に翻訳されている場合には、伊仏独西英しかないが、6か国めがあれば、 日本語訳も出版されている。 (ちなみにパドバで買ったプリペイドの携帯電話は、イタリアのボーダーフォンで、 付属の解説書が3冊ついてきた。でも伊仏独なので、どれも理解できない....)

大劇場。 個人の家の神棚(ララリウム)にまつられているウェヌス(農業と愛の女神で 海から産まれたとされる)。右にキューピッドがいる。 現地で出版されている詳しいガイドブックには、どの教会のどこにある彫刻の 裏話とか、模様の歴史的な意味など、観光がより楽しめる話が書いてあるので、 これまで何冊も買っている。ただしポンペイのも含め、ぜんぶ日本語訳が変だ。 翻訳者は外国語ができるのはもちろん、教会建築や美術の知識も必要なのだが、 日本語がへたでは商品価値はない。何回読んでも意味がわからず、よくこの 値段で売るものだ、返品したいと思うくらいひどい日本語訳のものもある。 パン屋の石うす。 上から小麦粉をいれ、馬か人力でうすを回す。見えないが後ろはかまど。 ポンペイ遺跡では、家の中に家具調度が何も置いてなく、フレスコ画やタイルも薄汚 れている。通りの1つでいいから、2階建ての家が再現されて、食べ物屋や商店に 人形がいれば、雰囲気も出るし、当時の暮らしがよくわかって勉強にもなると思うの だが、少しでも持っていけるものが置いてあると、すべて無くなってしまうのだ そうだ。フレスコ画や柱への破壊行為もところどころに見られる。残念ながらポン ペイは、はじめから乱暴なやりかたで発掘されたため、出土品が破壊、散逸し、 現在でも悪い管理の見本であるそうだ。


前菜のシーフード盛り合わせ。さっぱりしておいしい。 パドバやローマは塩味が濃いが、南は味が薄くてうれしい。単にゆでた魚介類に 酢とオリーブオイルと香草で味をつけただけのものが新鮮でおいしかった。北では バルサミコ酢がよく使われているようだが、南のレストランではぶどうから作った 酢が出てくることが多かった。

アマルフィー (Amalfi)

岩に貼りつくようにして建っている家 右端が泊まったホテル
(2007.5.12)

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Copyright M. Kato 2007