大学教育関係
1。立体コピーの書き方 
   立体コピー機:ゼロックスと付属の機械が一体になったもので、普通の原稿を
               ゼロックスとその機械に2度通すと、フィルム部分が熱膨張して
               立体印刷になります。指で触って図を理解するのに便利。
    ・ 紙はA4とB4がある(1998年当時)
    ・漢字やひらがなをコピーしても指では読めません。(あたり前ですが)
    ・あまり細かな絵や模様は指で認識できません。
    ・指では重なりがわかりずらい。
       (例:2つのリングがずれて重なっている模様は、リングの1つを太線にする)
 

2。 大学 進学の状況 
  10年間(1985-1994)に点字使用者が受験・入学した大学
      すべての大学と学部名、年度が載っています。
       出典『進めよう視覚障害者の大学進学と職域拡大』視覚障害者支援総合
            センター。谷合  first name の字が出ません(人べんに有です)1200円
            (社会福祉法人)視覚障害者支援センター:注文は直接センターまたは
            点字図書館の販売部で。
       数だけ書きます。 国立大学13、公立大学4、私立大学72、短期大学16、
                        大学院13


3。就職状況(公務員、教職員) 
     (出典『視覚障害者と大学No3』 視覚障害者支援総合センター)
    ・公務員に就職した人のの出身大学と自治体名、就職先がリストされています。
      77年から91年まで約50名。

    ・教職員就職
      77年から91年まで34名

    ・視覚障害補償機器類・辞書などのリスト
           (『視覚障害者と大学 No2』視覚障害者支援総合センターより)
        ・点字ワープロ、点字プリンター、立体コピー複写機など
        ・点字図書のリスト:辞書類各種、法律集、聖書など


4。米国の点字天文図書の注文書
      Touch the Stars  (Museum of Science) 10ドル
     この点字の本は英語の点字なので、日本語の点字とは違います。


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5。教育研究費の申請書の例(学内予算)
    (注:この申請書は採択されませんでしたので、ここに掲載するのは気が
     とがめますが、申請〆切まで時間がないことも多いと思い、たたき台として
    載せました。筆者の所属学部と学生の所属学部が違うため、採択されなかった
    ようです)

    研究課題:全盲学生とともに学ぶ天文学の授業法開発
       今年度、法学部に全盲の学生が入学し、一般教育の実験科目の履修を希望
    したが、設備の不備でかなえられず、天文学を履修することになった。そこで
    明らかになったのは、以下の点である。

    (1)全盲学生への日吉の自然科学教育の対応はまことに不十分で、履修
      できる科目が非常に限られる。盲学校ではあたりまえの実験設備も無い。
      (温度変化を音で知らせる装置など)
    (2)日吉に全盲の学生が入学したのはここ10年間で2人目であり、場あたり的
      でない対応が望まれる。理工学部に全盲学生が入学する可能性もゼロでは
      ないので、その場になって慌てないように、少しずつ条件を改善しておく
      必要がある。
    (3)全盲学生は他の学生に比べて勉学上の不自由さが決定的に大きいわけ
      ではない。少しの助力で勉学の選択可能性が大幅に高まる。問題はむしろ
      周囲の無理解と体制の不備にあるようだ。
    (4)全盲学生のための授業方法開発は、他の学生にとっても役立つ。たとえば
     グループ発表では、図でのごまかしが効かないため、きわめて論理的に
     説明する必要があるなど。

    そこで全盲学生をまじえたクラスでの天文学の授業では、いったい何ができる
    のか、試行錯誤をして限界まで試したい。教師が一方的にしゃべるだけの講義
    では、特に問題はないので、グループ発表、絵本製作、模型作り、簡単な
    実験その他を試みる。一方全盲学生教育の文献・資料をそろえ、必要に応じて
    日吉の自然科学の教員と協力して盲学校の見学、講演会などを行う。資料集を
    兼ねた報告書をまとめて後の資料としたい。

      予算20万円。

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6。天文学会講演発表の予稿(1998年春の年会)

   バリアフリー天文学をめざして--目の不自由な人と共に学ぶ天文学
    加藤万里子(慶応大)
   今年度、全盲の学生が文系の天文学(通年)を受講したのをきっかけに、目の
   不自由な人といっしょに学ぶ天文学--バリアフリー天文学--を考えてみた。
   試行錯誤の試みを報告する。

   (1)授業紹介:授業のなかでは、講義、演習、グループ発表、絵本製作をした。
       試験は点字で行った。授業に使用した道具は分度器、点字練習器、レーズ
       ライター(手書きで図を作成)と立体コピー(図を立体化するもの)。

   (2)啓蒙とボランティア:クラスメイトへの啓蒙が大切。教職員への啓蒙も大事。
       受講や自習を助けるボランティアの組織化が必要。
 
   (3)通信手段:電子メイルが便利(音声出力で読み書きできる)。

   (4)天文教材:ほとんど無い。教科書『100億年を翔ける宇宙』の原稿を
     フロッピーで渡した。補助教材として高校地学の点字版を用いた。図はレーズ
     ライターと点字で作成したが不便。

   (5)教科書の電子出版:『100億年を翔ける宇宙』を電子出版(フロッピー
     ディスクと点字の図のセット)する予定(3月)。本文はコンピューターで音声
      出力して聞き、図はさわって形を認識する。

   (6)Webページを作る:バリアフリーに書く方法。電子メイルでネットサーフィン
     する方法。天文学会編学術用語集を修正(かざり文字や不要なリンクを削除)し
     補助教材とした。この情報は以下のページに載せてある。
       http://sunrise.hc.keio.ac.jp/\~{}mariko/educ/darksky.html

   (7)日本の視覚障害者の教育事情、点字図書館のリスト、分度器や点字練習器の
      値段などの一般情報。

   (8)冊子を作成:以上の情報をあつめた冊子を作成(年会で配布する)。

    最後に、tennet への呼びかけに応じて情報提供を下さった多くの方々に感謝
    します。