参考文献
天文学と科学教育の教科書・参考書・実践報告
(1) Touch the Stars, Noreen Grice, Charles Hayden Planetarium, Boston
英語の天文学の教科書。点字と英語(墨字)が同時にプリントされている。渦巻
銀河などの図も点字で出ている。当然のことながら、点字も英語のもの。
(2)『新版・100億年を翔ける宇宙』(新版でB5サイズ)、加藤万里子著、恒星社。
1998 年発行。墨字の本には点字の図が1枚付録についている。フロッピーディス
クと点字の図のセットは別売。
(3)高校地学の点字教科書としては第一学習社刊の「地学1A」の点字版がある。
全5巻,定価は各20090円、資料巻5050円(盲学校の生徒には無償)。日本
ライトハウス点字情報センター発行(ここでは,物理・化学等の点訳教科書を出し
ている)。〒577 東大阪市森河内2-14-34 tel.06-784-4414,fax.06-784-4417
また中学校の理科教科書等は東京ヘレンケラー協会で出している。私が拝借した
のは東京書籍版『地学』日本ライトハウスで、すべて点字なので本の中はまっしろ。
図は点字で書かれており、線は点字をつなげて示している。
(4)『観察と実験の指導』、文部省、昭和61年、慶應義塾大学出版会、1130円。
盲学校における経験をもとに、視覚に頼らない観察や実験の指導方法を具体的に示
してある。内容は小学校の理科、物理、化学、生物学、地学。たとえば化学実験で
は、光の変化を音の変化に変える感知器を使用し化学反応による変化を知るとか、
岩石は手触りや硬さやにおい音の違いをとらえて分類するなど、聴覚と触覚、嗅覚
などを全面的に駆使するやりかたが出ていて参考になる。
(5)「星をみた!〜視覚障害者と天文」間々田和彦(筑波大学付属盲学校)
大阪市立科学館星の友の会「月刊うちゅう」1994年9・10月号
(6)「目の不自由な人の天文教育」、尾久土正己・嘉数次人 1992、
第6回天文教育研究会集録 pp202-204
(7) 「視覚障害者の天文普及に関する基礎的研究1」小野夏子・久保庭敦・間々田
和彦、1994、日本地学教育学会第48回要項
(8)国立天文台視覚障害者用パンフレット(点字)1998年2月
国立天文台の紹介、望遠鏡の仕組み、最全線の研究紹介など
(9)国立天文台野辺山電波観測所編 視覚障害者用パンフレット(点字)1993年。
望遠鏡や観測結果の説明など。
(10)「電波天文台の憂うつ」河野考太郎 1994, 月刊うちゅう 1994年 5月号
(11)貝塚市立善兵衛ランド(天文台)。点字による天文展示、点字の星座早見や
星座の点字パンフレットなど。大阪貝塚市三ツ松216番地 tel 0724-47-2020
(12) 星や銀河の立体模型の作り方
酒造晃子他:CD−ROMの宇宙:天文月報、87、391(1994)田島由起子他:
神の掌の宇宙:同上、441(1994)OHPシートの代わりにアクリル板を使えば
目が不自由な人にも使いやすくなる。
(13)「銀河系の模型を作ろう」佐藤功美子,子供の科学,1993年8月号
この中にあるデータの出典は(HII regions)Georgelin,Y.M. & Georgelin,Y.P.
A&A,49,57-79 (1976)(分子雲) Solomon,P.M.et al. ApJ, 319, 730-741(1987)
模型の本体は直径30cmの円盤+発泡スチロール球で作ったバルジで、円盤の
上に HII region や巨大分子雲の位置をシールで示す。太陽系の位置や天体の
種類まで認識させたい場合は、貼るシールの形を変えたりでっぱり具合を変える。
また、HII regions をなぞって銀河系の「腕」を書き込んでいる。木工用ボンド等
でなぞるとでっぱりがつく。
(14)点字絵本『テルミ』
こども向けの点字絵本、隔月刊、日本児童教育振興財団、年2400円
きょうりゅうずかん、などの図鑑もある。電話03-5280-1502
(15)『点字サイエンス』東京ヘレンケラー協会出版。各月刊.定価700円。
日経サイエンスとは別の雑誌。東京ヘレンケラー協会 〒160 新宿区
高田馬場大久保3-14-4毎日新聞早稲田別館内 tel.03-3200-1310
(16)日本視覚障害理科教育研究会会報(JASEB NEWS LETTER)、
日本視覚障害理科教育研究会発行、にも教育実践が出ている。
(17)『化学と教育』第36巻4号(1983年8月刊)日本化学会、特集 視覚障害
者のための化学教育。盲学校での実践から,ICUでの実践,海外の情報など。
(18) ”明日への大学”,その一つの試み−ICUにおける一盲学生の在学の記録−
草山こずえさんのICU在学の記録を作る会,1981/4/12日本語版,1984/10英語版,
1977年に盲学生としてICUに初めて入学した草山こずえさんの記録。
(19) 盲学生を教える教師用読本、国際基督教大学 1984
これは文献(18)”明日への大学”の3.4章より抜粋したもの。
(20)”明日への大学”続編−ICUにおける一盲学生の物理実験・化学実験履修の
記録、および−ICUにおける理学専攻盲学生の卒業までの記録,国際基督教大学
教養部理学科「盲学生のためのプロジェクトチーム」
盲学生として初めて理科系に進学した学生のことを書いたもの。
クラスメイトや教師にとって、すぐ役に立つ文献
(1)朝子さんの一日 -- 目の不自由な人の生活を知る絵本。小学館、1000円,
『朝子さんは36歳の全盲の女性。会社員。家族は夫と小学3年生の男の子が一人。』
という設定で生まれたキャラクターとストーリーです。多くの働く女性と同様に、
朝ご飯をつくり、バスと電車で通勤して会社に行き、洗濯は日曜日にして、友達と
旅行にも行きます。目が不自由な人の生活を知るのにとても良い本です。絵がすて
き。6冊買ってクラスメイトの学生に貸し出し読んでもらった。(小学館に注文した
ら品切れで再版の予定はないそうですが、高田馬場の点字図書館にいけば買えます)
(2)朝子さんの点字ノート -- 目の不自由な人の心を知る本。小学館 800円。
『朝子さんの一日』の続編で、楽しい日常生活の様子が絵本より詳しく書かれている。
子どもは男の子が一人だったがここで女の赤ちゃんが誕生する。囲み記事として
Q and A があり、目の見えない人への声のかけかた、いっしょに食事をする時の
気づかい方などがコンパクトにのっている。
(3)ボランティアわたしたちにできること(2)友達になろうよ--障害のある人ととも
に、 池田明彦監修、ポプラ社、2500円
子供むけに書かれた絵本で障害をもった友達とのつきあい方の注意がでている。
歩く時や食事の際のちょっとした気遣い方や、絶対にしてはいけない事(うしろから
押す、急に腕を引っ張るなど)が簡潔に図入りでまとまっている。点字表もついてい
る。42ページにある『目の不自由な人への介助』はわかりやすい。
(4)視覚障害者の自立と援助、介護福祉ハンドブック17、 吉野由美子著, 一橋出版、
850円。視覚障害者は日本に何人くらいでどんな障害なのかなどの基本データや、
教育やリハビリ、ヘルパー、必要な援助、生活の中での接し方などがていねいに
書かれている。巻末には施設のリストや盲人用具のリストがある。
(5)『バリアフリー』の商品開発 --ヒトに優しいモノ作り、1600円
『バリアフリー』の商品開発2 -- 超高齢化社会を支えるモノ作り、 1700円、
E&Cプロジェクト編、日本経済新聞社、シャンプー容器のギザギザは有名だが、少し
の工夫で目が不自由な人にもそうでない人にも便利な商品の開発が行われてきて
いる。開発の経過も含めた商品案内。
大学組織管理者のための参考書
(1)視覚障害者と大学
シリーズ1。門戸解放40年の歩み 1000 円
シリーズ2。学習条件整備を求めて 800円
シリーズ3。点字による国家公務員試験が実現するまで。800円。
社会福祉法人 視覚障害者支援総合センター。注文は直接センターへ(03)5310-5051、
またはもよりの点字図書館の事業部へ。このシリーズの2は大学の受け入れ状況の
アンケート結果も出ており大学関係者には必読文献。
(2)進めよう視覚障害者の大学進学と職域拡大--そのQ&Aと資料集-- 谷合すすむ、
視覚障害者支援総合センター、1200円、点字入試、 学習環境、奨学金、就職
状況などが出ていてこれも必読文献です。 注文先は(1)と同じ。
(3)視覚障害、年刊購読料、4200円、連絡先は日本盲人福祉研究会、03-5310-5051
視覚障害に関連したさまざまな情報、ルポ、ボランティアの声、外国の状況など。
これらの大部分は日本点字図書館(用具事業部)へ行けばすぐ買えます。休日が閉館
なのが不便。振り込み・郵送も可能だが、数週間かかる。東京都新宿区高田馬場
1-23-4 電話(03)3209-0751(山の手線高田馬場駅から黄色の点字タイルをたどって
いける。)
(4)追補版 テクニカル・エイド -- 選び方・使い方 寺山久美子他編 三輪書店
1993年 3500円 367ページ。 障害者用コンピューターの詳しい説明がある。
(5)KOKORO RESOURCEBOOK こころリソースブック編集会 毎年発行
(香川大学教育学部中 研究室内 0878-36-1772)
入手は編集会事務局 (tel)050-754-8525 (fax)0878-40-0647 まで
障害者のためのコミュニケーション支援機器とソフトの紹介
授業に役立つ道具
(1)盲人用の分度器、三角定規、分まわし3点セット、4枚組500円
メモリが浮き出ていて、さわって測る。点字図書館の販売部にある。
(2)レーズライター(書くためにはラバーシートが必要)
図を提示するためのつるつるした紙。ボールペンなどで強く書くと線が浮きあがり、
指で触れば図を理解できる。あまり細かい図はだめ。ボールペンで書くと晴眼者に
は便利だが、指が汚れるのでテッシュペーパーでインクを少し落しておく必要あり。
ラバーシートを買うと、インクの出ないボールペンがついてくる。点字も打てる。
間違えても修正できないのが不便。点字図書館の販売部にある。
(3)点字パソコン
ひらがなの文書を点字に直してプリントアウトしたり、音声出力して文書を読む
ためのもの。簡単な試験問題ならこれで作れる。
(4)立体コピー
原図を特殊フィルムにゼロックスコピーして、そのあと熱を加えてインクの部分を
浮き上がらせて立体化するもの。ゼロックスの機械1台と熱処理機から成る。点字
図書館にいけば1枚2百円くらいで作成できる。立体コピーにする原図はあまり細
かいものはだめなので拡大コピーしておくとか、重ねた図形(中心がずれた2つの
円など)も認識しにくいなどの注意は必要で、何でもコピーすれば良いわけではない。
また漢字をうっかり立体コピーしても当然のことながら読めないので注意。
(5)教科書
上記の教科書リスト参照
(6)天文学会編の天文用語集をプレーンテキストに落したもの。Web page
http://sunrise.hc.keio.ac.jp/~mariko/educ/darksky.html に出ている。
WWW サイトの紹介(視覚障害者支援関係)
○福祉と障害者支援情報の総目次は
http://www.chubu-gu.ac.jp/wic/ir/h-index.html
このミラーサイトは
http://www.kanazawa-med.ac.jp/~yamasita/fukusi/h-index.html
です。このページは障害別情報の目次です。視覚障害のページは
http://www.chubu-gu.ac.jp/wic/ir/h-index.html#sigth です。
○福島県立盲学校 http://www.fukumo-sfb.fukushima.fukushima.jp/
○滋賀県立盲学校 http://shigapref-sb.ed.jp/
盲学校や視覚障害者に役立つリンクが豊富にある。
○東京都立八王子盲学校 http://komei1.koumei-sfh.setagaya.tokyo.jp
目の不自由な人のためのホームページの実験。(はじめの数行で内容の紹介をする、
リンクする時には、目的のページがどの階層にあるかを示しておくなど、書き方の
参考になる。リンクスメイルゲートウェイ(ホームページをメイルで送付する)の
使い方も出ている。 現在つながらない?様子。
○こころWeb http://www.ibm.co.jp/kokoroweb/
http://www.ibm.co.jp/kokoroweb/tips/障害者をもつ人が快適にWeb を使えるよう
にするための提案。
http://www.ibm.co.jp/kokoroweb/tips/blind.html 目のみえない人がWWWを利用
する時に必要なソフトの情報が出ている。
○視覚障害リソース・ネットワーク http://www.twcu.ac.jp/~k-oda/VIRN/
ミラーサイトは http://www.dais.is.tohoku.ac.jp/~iwan/VIRN/
○ 点字図書館など視覚障害者情報提供施設のリスト
http://www.twcu.ac.jp/~k-oda/VIRN/inst/BrailLib.htm