2014年5月8日

レポート(レジュメ,ハンドアウト)のまとめ方

大学院の講義では次のようなことを意識してレポート(レジュメ,ハンドアウト)をまとめて下さい.以下では論文をまとめるレポートを想定しますが,本の一章をまとめる場合も同様です.

1.レポートの構成
割り当てられた論文をレポートを利用して報告する場合,次のような点を含めるようにして下さい.

1. 概要
全体の要約をまとめます.目的や分析の内容,主要な結論がわかるように,簡潔にまとめるようにします.

2. 論文の構成
どのような構成になっているか,節のタイトルをリストアップしてみます.これにより,全体の流れをひとめでわかるようにします.

3. ポイントの解説
論文の貢献を解説します.もしその論文が理論的な分析なら,主要な結論を導いているメカニズムが何か,それがどのような仮定に依存しているのかをまとめます.実証分析の場合はデータや方法,主要な結果を説明します.

【ポイント】
- 数式が多用されている場合,すべての数式をリストアップするのではなく,keyになる式のみをまとめるようにして下さい.証明をしっかり示す必要がある場合はappendixとしてまとめておくと,親切です.
- 論文の内容をすべてカバーする必要はありません.重要な点に話を絞るように工夫しましょう.
- 理論的な分析の場合,仮定が不自然ではないか(これまでの先行研究とは全く異なる仮定が利用されていないか),実証分析の場合は仮説と利用されている変数が整合的か,また計量経済学的な手法に問題がないかを確認するようにして下さい.

4. 論文の抱える課題と代替案
まず,論文の抱える課題を2〜3点ほど指摘します.そして,その問題についての代替案を提示して下さい.「自分ならどのように対応するか」を考えるということです.

【ポイント】
- 論文の問題を指摘するときは,常に代替案を提示することを意識しましょう.ここで言う代替案とは,「この論文をより良くするために,自分ならどうするか」という案のことです.代替案のない批判は建設的な議論につながりません.また,代替案を提示することは,的外れな批判を減らすことにもつながります.また,あなたの代替案は,あなた自身の論文の種になるかもしれません.

- 関連する文献もチェックするのが望ましいです.

5. 参考文献
レポートを作る上で,自分が引用した文献をリストアップします.

2.意識して欲しいこと
- 準備するレポートは単に「一回の報告のための資料」で終わらせるのではなく,それが自分の論文につながるように意識すると良いと思います.例えば,講義のために準備したレポートが,近い将来,自分の論文のone sectionになるようなイメージです.

- 資料を上手にまとめることはもちろんですが,発表の仕方(プレゼンテーションのテクニック)を身に付けることも大切です.発表する内容の順序やパワーポイントの作り方だけでなく,発表するときの目線,動作,声の大きさ,話すスピードにも注意する必要があります.「どのように報告すれば参加者に効果的に伝わるのか」を意識するようにして下さい.


- 大学院での報告は,それ自体が教員や同僚にアピールする数少ない貴重なチャンスだと思って下さい.一回一回の報告を大切にするようにしましょう.

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