日吉記念館の右脇を壁に沿うように進むとテラスのような場所に出ます。そこからの眺めは、絶景といって良いような素晴らしいものです。眼下に広がる圧倒的な緑、そのすべてが日吉キャンパスの中であると知ると、たいていの人は驚きます。白く見えているのは、テニスコートです。ここを谷の底面として手前と向こう側が駆け上がりの丘になっています。まむし谷と呼ばれるこの谷は、写真の右手の方を谷頭として左手方向に緩やかかに下がっていきます。今はテニスコートやバスケットコートなどになっていますが、そんなに遠くない昔、ここには小川があり、その流れは矢上川から鶴見川へと濯いでいたのでしょう。正面の丘は宮前台地と呼ばれ、頂上の体育会施設を除くと、斜面はイヌシデやコナラで構成される雑木林になっています。この雑木林は日吉の森の中でももっともまとまった大きな森で日吉キャンパスの中心の森と呼ぶにふさわしいものです。しかし、写真でも分かるように中央部分が凹んでいます。実は10年前に大きな土砂崩れがあり、この部分の林が崩壊してしまったのです。現在はまだ崩壊地のままで植樹などの対策はとられていません。 |