Research
個人研究の成果などの紹介です。
現在進行している研究は、4つほどにまとめることができます。
1) 日本の精神医療の歴史
イギリスのものと、よく似たタイプの資料と方法論を使って、日本の精神病院を研究しています。 東京の私立(代用)精神病院である王子脳病院の資料を用いた研究です。 Madness in Modernist Tokyo: History of Oji Brain Hospital and Its
Patients 1920−1945(仮題)というタイトルの書物にまとめようと思っています。
2) 日本の疾病の歴史
私にとって、新しい分野であり、2002年に始めたときには、全てを手探りで進まなければならない大きな挑戦でした。 環境と経済の視点を取り入れた明治以降の疾病と公衆衛生の社会環境史です。
3) 滝野川健康調査
とても面白い資料との出会いから始まった研究です。 昭和13年の東京の滝野川区(当時)における約360世帯2000人について、一年間の傷病と治療形態・費用などを調査したものです。 「受療行動の社会史」とくくることができる研究方向です。
4) イギリスの精神医療の歴史 − ハンウェル精神病院の患者とその家族
イギリスの公立精神病院の患者記録の分析です。著書Madness at Homeでは中産階級から上流階級の家庭における精神病者の処遇の問題を扱いましたが、この研究では労働者階級に光を当てようと思っています。また、質的データベースを試験的に使ってみようと思っています。
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著書Madness at Home
(University of California Press, 2006) の書評(ウェッブ上で閲覧できるものなど)の紹介です。こちらをご覧ください。MadnessatHomeReviews